観客席散歩の倉庫

 

l        二〇〇二年八月の芝居の倉庫

 

NILプロデュースNEXTデイ・プラッツ 2002/8/19  2002/8/19

なかなかまとまりをみせた良い舞台に仕上がっていたという気はします、やはり二人芝居になるとキャスティングがかなりの比重を占めてきますね。

しかし、ラスト近辺でチーヴァーの怒りがどこに向いているのかがあまりハッキリしなかったのが、残念と言えば残念です。

まあ、これは役者さんのせいというよりは、台本そのものに関係していると思われるのですが、この作品は当時アメリカ国民が共通して持っていた不満と怒りをあらわにしたものなので、ストレートに演じても共感を得られたのだと思います。

ゆえに今の平和ボケ日本ではチョット・・・

その為にも、あの暗転の星条旗とその前のセックのセリフはあそこで使うべきではなかったという気がします !

あそこはそのまま会話しながらチーヴァーに服を着させるなりしてラストまでいき、ラストで再度登場したセックがニヤリとしてあのセリフを「合格 ! 次ッ !!」と叫ぶ、固まるチーヴァーの顔が一瞬残って暗転の中で星条旗が浮かび上がるとか・・・そこまでしないと、今現在ファッショの塊りのような某都知事と好戦的米大統領のご機嫌伺いをするエセ改革総理にすら疑問を持たないこの国では、あの戯曲の真の意味は伝わらないような気がしました。

でも、あれはあれで成立しているから別にいいんですけど・・・

 

 

伊勢崎工業高校「生きててやるんだ、ありがたく思え」スペース・ゼロ 2002/8/16  2002/8/16

同年代の役者しかいないという高校演劇の弱点を逆手に取った面白い創りの芝居だとは思いました。

ただそれ故に老人の演技がワンパターンになってしまい、本人たちは変えているつもりなのでしょうが、心の変化が演技の変化として現れていず、セリフも大きさやタイミングが同じに出てくるので、途中で少し眠気に襲われる部分がありました。

やはり、役の声の大小、セリフの緩急、動きや間などは、あくまでも役の心が動いた上でないと、観客の生理に反してしまうと思えるのです。

しかし、芝居としてはなかなか面白く、それぞれの抱える問題をもっと深くつっこむことができたら、芝居として完成度の高いものになるだろうという感じはしました。

こう言うと、高校演劇にそこまで求めるな、とか言われそうですけど、僕は高校演劇だって芝居は芝居だと思って観てしまいますので、高校生だからこの程度で・・・などという書き方はしていません、あしからず !!

 

 

大田原女子高校8-エイト-スペース・ゼロ 2002/8/16  2002/8/16

幕開きで、女性七人の最終テストと説明されて、一人多いと気付く八人、誰が八人目かで騒ぐ前に、八人いること自体がテストの内容なのだと気付けヨ、最終選考まで残った人達だろ ! という台本上の不備はさておいて、緊迫した内容で設定されているのですが、舞台上の役者さんたちからその緊迫感がなかなか伝わってこないのが残念でした。

その理由としてはテンポの遅さがあげられると思います、セリフ、演技ともにテンポが遅くキレが無いので、自分たちが閉ざされた宇宙船の中で死ぬかもしれないという設定が生きてこず、なんだか教室の中でおこなわれている会話のように感じてしまいました。

セリフの内容をハッキリと伝えるということに重点を置いたのかもしれませんが、セリフはその使い方で設定や状況を伝える重要な要素であり、決して言葉の内容にだけ意味が有るものではないという点にまで気を配っていただけたら、もっと面白い作品になったと思います。

 

 

アクセル「海がすき !大塚ジェルスホール 2002/8/11  2002/8/12

若い方たちに受ける舞台だと言う感じがしましたネ。 べつにそれが良い悪いじゃなくて、そんな感じが・・・

そうですねェ、初期のつかの芝居のような感じが・・・ただ残念なのはあれほどメッセージ性が強くないことです。

いや、あったのかもしれないけど、それが心にまで響いてこなかったですね。

それと、面白いんですけど同じパターンの繰り返しで、セリフや演技が繰り出されるので、長く観てると飽きてくる感じがします。 でも、若い人たちには、その軽い感じと、漫才やコントのようなノリが楽しいんだとは思いますけど・・・あのつくりで、長時間飽きさせない技術を身に付けて、人の魂の奥底まで揺さぶるような芝居創りができたら、面白い存在にはなると思いますが・・・

 

 

游劇社プロデュース「夢で会いましょ !アルス・ノーヴァ 2002/8/10  2002/8/10

久し振りに芝居観ましたね、客席に座って ! しかも游劇社の芝居を観るのは初めてです !!()

明日も公演有るし、ネタバレしちゃうといけないので、詳しくは書きませんけど、流れ的には『千年の・・・』シリーズから『瞬きの都』と流れたシリーズに繋がる作品という気がします。

話としては面白いし、役者さんも達者ですので、伝わってくるものは多いのですが、もっともっと掘り下げて突っ込んで欲しいと思ったのは僕だけなのでしょうか・・・鳳さんの作品に何本か付き合わせてもらい、本もずいぶん読ませていただいたので、途中で設定や展開が判ってしまったのはさておいても、今ここに蘇りつつある危機とそれに対する不満をもっともっとぶちまけてほしかったような気がします。

あれは再開の序曲だから、あれぐらいで・・・というのではなく、あと少し長くなってもいいから、ここでスタートした游劇社はこんなにスゴかったんだぞ !!  という部分まで、客席に投げつけて欲しかったという気がします。

個人的には、「解るよ、解るけどさ、もっと言いたいことあるでしょッ、やりたいことあるでしょッ ! 吐き出しちゃいなよ、全部ッ !! 」って感じでしたね、游劇社の芝居としてはちょっと食い足りなかったなぁ、腹六分目って感じでした。

 

 

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