観客席散歩の倉庫

 

l        二〇〇一年十二月の芝居の倉庫

炭酸ズノウプロジェクトTHROUGH THE GATE於シアターグリーン 2001/12/9  2001/12/10

Con-gekiのパターンの典型をしっかり踏襲した、スジとしては楽しめる芝居でしたね。

でも・・・テンポがあまり良くなかったのと、演技というものを取り違えているような部分があったのが残念でしたね。

外国を舞台にした芝居とか外人の役を演ると、なんでいつもに輪をかけたような臭い芝居をしてしまうんでしょうか。

確かに外見から入るという演じ方もあるとは思いますが、それが一番重要だとは思えないのですが・・・

どんなに髪を染めようと身振り手振りを大きくしようと、伝えるべき基本の部分が置き去りにされていては奥行きの浅い芝居になってしまうのはしょうがないと思うんですが・・・最近ブレイクした三木道三のレゲェ、彼のヒットはジャマイカのレゲェの外見を受け継いだことではなく、その精神を受け継いだところにあると思うのです。

この芝居も見掛けの役柄にばかりこだわるのではなく、その役の内面を深く表現し、伝えてくださったなら、Con-gekiでありながら観客の心を動かすぐらいの芝居になったのではないかと残念に思うわけです、日本の昔からの諺にもあるじゃないですか、「仏作って魂入れず」って !

アクションでも同じような事を感じましたね、緩急の間がないんで段取りを追っているように見えてしまう、と言うよりも対峙する相手との間に殺気が感じられないんですよ。

こう言うと芝居だからとおっしゃる方もおいでなんですが、芝居だからこそそれを感じさせることが重要だとは思いませんか? それが観客に伝わっていれば、そして役者がアクション中もそれを忘れなければ、多少手が遅かろうと手順をミスろうと、観客にはさほど気にならないと思います、ほら、「鰯の頭も信心から」って云うじゃありませんか。(違うかッ!?)

あと、マイムの部分で特に気になったのが車のシーンですね。 踊りとして見るのならカーブの場面では全員同じ方へ体が振られても良いと思うのですが、マイムの場合は、ドライバーは逆の方向に踏ん張ってハンドルを切っているという芝居が無いと不自然で違和感を感じてしまいます。 細かい部分ですが演出は観客に ? を起こさせる部分を排除する努力を怠ってはいけないと思います、特に今回のようなCon-gekiでは観客に作り物であるという感覚を持たれることはあらゆる意味でマイナスだと思いますので !!

キツイことばかり書いてますが、もちろん良い部分もいっぱいあります、でも、僕は芝居はいいのが当たり前 ! という視点から書かせていただいてますので、なかなか良いところだけを書いて済ますということができないんですね、たとえ知り合いが出ていても ! だって、もっともっと良くなる芝居だと思うから・・・「鉄は熱いうちに打て」ですよね、えっ、違う!?m(__)m

 

 

ハマコクラブ×キヨコクラブ「観客不在」於千本桜ホール 2001/12/2  2001/12/3

楽しい芝居だと思います、でも・・・

一年前の初演の時と較べてもしょうがないとは思うんですが、両方観た者としてはついつい較べてしまいます、ましてや前のほうが良かったと感じてしまっては !

もちろん初めて観たときのインパクトや面白かったという想いが強く印象づけられているというハンディはあるのですが、それは演じる側、創る側にも同じことが言えます。 前回よりも良くしなければ、面白くしなければ、という想いが強くなってついつい力が入りすぎてしまう、どんどんあれもこれもと盛り込んでしまうということが、その原因としてあげられるのではないかと思います。 もちろん、それでよくなることも多くあるので、それがすべていけないことだなどというつもりは毛頭無いのですが、空回りしたときのマイナス面が恐いと思います。

今回の舞台は出演のお二人にその想いが特に強く出ていたようで、最初からフルパワーで飛ばされてしまったので盛り上がるべき部分がそれ以上に盛り上がらなかったという感じでした。 確かに設定が切羽詰ったところから出発しているのでそれでもいいのですが、観客にとってはその設定よりもそこに居ることの息苦しさみたいなものを感じさせてしまったような気がします。 それでも芝居ができるお二人ですので、最後にこれぐらいまで上げていくからここはこのぐらいにという計算はチャントされているようなのですが、そういったマイナスの演技より、最初これぐらいで行っちゃったから最後はここまで行っちゃいました!という思い切りのよいプラスの演技を見せて欲しかった気がします。

観客の心を動かすのはあくまでも演じる者の計算ではなくて、演じられている役の気持ちの変化だと思いますので !!

それにしても、一週間の話で開演から五日目に電車がいきなり開通してしまったかのような照明にはちょっとビックリでした。

なんだかキツイことばかり書いてしまいましたが、バックステージ物としては故マルセ太郎氏演出の『役者の仕事』と同じぐらいお気に入りの作品なのです、日曜のマチネに補助席まで出すほどお客様を集める芝居ですので、今後も向上していただきたいと思ってのことです、どうかお許しを。

来年は女性一人を加えての三人芝居を予定しているとか、今から楽しみです !!

 

 

ih舞台製作所「泳ぐ女」於ザムザ阿佐ヶ谷 2001/12/1  2001/12/3

うーん、難しい芝居でしたね、僕には。 お偉い評論家さんとか、物識り顔の批評家さん、頭の良いお客さんたちには受けるんでしょうけど、僕のような浅薄な者にはチョット・・・

もちろん、役者さん個々の演技はそれぞれに面白いところもあったのですが、芝居としてはなにも心を動かしてもらえなかった、なにも感じさせてもらえなかったというのが正直なところです。 頭で考えたり、分析しながら観ればもっと解るのかもしれませんが、僕はそんな面倒な事を観客に強いることなく観客の心に伝えていくのが芝居の良さではないかと思っているので、自分が芝居を観るときも面倒な事は考えず、心に感じたことを素直に受け取る事にしているのですが・・・

しかし、土曜のマチネであっても空席のほうが多い客席から芝居の途中で席を立っていく観客がパラパラといたことが印象的でした。

なんにしても終わってから、台本読んでみてえーっ!って思う芝居ではありましたね。

 

 

l        二〇〇一年九月の芝居の倉庫

女神「星辰遊戯T於シアター・ブラッツ 2001/09/30  2001/10/10

これもアップが遅くなってしまいましたが楽日にようやく観に行くことができました。

まず感じたのは、徹しきれていないということでしょうか、あらゆる面において。 つまり作家が作家に徹しきれていない、演出が演出に徹しきれていない、制作が制作に徹しきれていない、そして、役者もスタッフもがそれぞれの役割に徹しきれていないという部分だと思います。

もちろん、それぞれに携わった方たちはそれなりに一生懸命やっていたのでしょうが、私が言いたいのはその役割においてです。 たとえば台本は前回の公演と同じようにアイデアだけの段階で書かれてしまっていて練れていませんし、演出はその台本の不備をカバーしたうえでさらに高める努力を怠っているように思えます。 パンフには作、演出が書かれていませんが、チラシにはそれぞれに違うお名前が書いてあります、そして制作も。 しかし観た感じでは小劇団によく見られる作、演出、制作を主宰者が一人で兼ねて失敗しているパターンによく似ているのです。 もし、私が感じたようにお一人でやっているのでないとしたら、余程それぞれの役割には向いていない方たちがやっていると思うしかないのですが・・・

ま、今回のこの芝居の関係者すべての方がもっともっといろいろな芝居を観て、今後ご自分達のやるべきことをしっかりと見極めてくださる事を期待しています。 あの芝居が終わりではなく、自分達にとってそれぞれの新しい出発点になってくださることを期待しています。

 

 

炭酸頭脳プロジェクト「青空のムコウガワ」於神楽坂ディ・プラッツ 2001/09/20夜、22  2001/10/10

いや、いまさらアップするのも気が引けるのですが、ま、少しだけ。

初日、中日と観せいただきました。 初日は皆さん固さが取れていなかったせいか、テンポが悪く、数多くある無対象の野球シーンに多少飽きがきましたが、中日の舞台はそれも無く、客イジリも少なく抑えられていましたので、結構スッキリと観られました。 話のほうは目標とした爽やかさというのは伝わってきたのですが、それぞれの人間性や生活、そして葛藤などの部分がもっと描かれていてくれたら爽やかなだけに終わらない、いい芝居になっていただろうと思えるのですが、そこまで求めてはいけないのですかねェ。 でも、爽やかさだけだったら本当の草野球見にいったほうが良いわけですから、僕はやっぱり芝居にする意味を、観て良かったと思える芝居を求めてしまうんですよね。

 

 

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